
五行の「土」がどのようにカラダと関わるかをみていきましょう。
栄養を蓄えて育てる大地=「脾」
大地は土台であり、すべてのものを支える。
栄養をたっぷりと蓄えて、たくさんの命を育む。
カラダの中で、「土」は「脾」に当たります。
西洋医学の「脾臓」というと、ニュアンスがちょっと違います。
肺炎球菌やインフルエンザ菌などの感染に対して防御する抗体をつくったり、血液の若さを保ったりするのが、主な働きです。
https://www.hospita.jp/medicalnews/20160729a/
中医学でいう「脾」というのは、消化器官を指します。
「胃」は物質的な消化を担う臓腑であり、「脾」は食べ物の栄養、すなわち気・エネルギーを吸収する臓腑にあたります。
そのため脾は、気を生み出すために重要な臓腑と言われています。
言わば、すべての臓腑の土台となるような臓腑なのです。
気を生み出す臓腑
口から入ってきた食べ物は、胃に入り、消化液によって溶かされます。
そこから食べ物のエネルギーとなる「気」が脾によって吸収される、というイメージです。
カラダを巡る「気」は、脾だけから生み出されるわけではありませんが、脾は「後天の本」とも言われていて、カラダを後天的に左右するほどの気が生み出される場所なのです。
脾の状態が良い状態でないと、気が生み出されず、気力がない、元気がない、やる気がないような状態になってしまいます。
そのほかの不調としては、上半身(顔や手など)がむくんだり、食欲が出ないなどがあります。
「脾」は「口」に繋がる
脾の状態は口の状態とほぼ同じです。
口内炎ができていたら、消化器官も乱れがちです。
また、食べすぎた次の日に、口の周りにニキビができたことはないでしょうか?
口の周りのニキビも同じようなことが言えます。
唇が割れていたら、これも要注意。
胃に熱がこもっていることを表しています。
唇の色は薄いピンク色で、潤いがあって艶のある状態がベストです。
不正出血があったら「脾」のケアを

脾の機能は、気を生み出す働きだけではありません。
全身の血液循環をコントロールして、出血を防ぐ働きがあります。
女性のカラダの不調でいうと、不正出血が頻繁に起こる場合は、「脾」のバランスが乱れているかもしれません。
脾の状態が悪い人の特徴として、痩せすぎだったり太り過ぎだったりということがあります。
脾のコンディションが悪いと、体重コントロールがうまくいかなくなってしまうのです。
不正出血が起こる人は、多くは痩せすぎか太り過ぎかと言っても過言ではないくらいです。
「脾」の状態をチェック
- 食欲にムラがある
- カラダの上半身がむくみがち
- たびたび不正出血がある
- 痩せすぎ、または太り過ぎ
- 疲れが取れない
- お腹の張り
- 下痢しやすい
このような状態であれば、もしかしたら脾のコンディションが良くないかもしれません。
脾の状態はわかりやすく、整えるのもコツさえ掴めば簡単にできます。
しかしながら、バランスを一番崩しやすい臓腑とも言えるでしょう。
土台となる臓腑なので、こまめにチェックして乱れ始めたかな?というくらいで整えられたら良いですね。