
前回の薬膳の考え方①では、薬膳の全体像をお伝えさせて頂きました。
今回は、少し突っ込んで、ベースの「陰陽説」についてお話させていただきます!
陰陽説とは?
そもそも中医学は、科学もない時代にできたものですから、自然を注意深く観察することによって理論を確立しています。
この時代になると、人間が主役、みたいな感覚に陥りますが、本来は自然のなかに人間がいるのです。中医学はその根本的な考え方のもと成り立っています。私は自然ベースの考え方が結構好きで薬膳にハマりました。
余談が入りましたが、陰陽説は、「自然界は、陰と陽のエネルギーによりできている」というものです。
これだけ聞いてもよくわかりませんね(^^;)
代表的なものを挙げてみましょう。
昼/夜、夏/冬、右/左、上/下、男/女、暑い/寒い、明るい/暗い…などなど
無限にありますね。
ひとつの物事は必ず一対になっていて、裏と表が存在するのです。
そして、この裏と表、優劣はなく、どちらもとっても大切なものです。
これこそが陰陽説です。
物事には裏と表がある
裏と表があるからこそ、全体が成り立つ。
とってもシンプルな理論です。
いいことがあれば、悪いこともある。
悪い出来事がなければ、いい出来事だと認識できない。
妊活していれば、上手くいかない…と思うことで落ち込みますよね。。
痛いほどわかります。生理が来てしまったときのあのどん底に突き落とされた気持ち…(;_;)
だけど、その辛い出来事があってこそ、上手くいったときの喜びの感情があるのです。
もし望まない妊娠だったら…?
赤ちゃんにとっては可哀想ですが、きっと妊娠が辛いことになるでしょう。
同じ妊娠でも状況によって嬉しい事と悲しい事とにわかれていくのです。
物事には、裏と表がある。
悪い出来事はできるだけ経験したくない気持ちになりますが、これも考え方次第です。
どちらも経験して初めて一つの人生なのです。
陰陽説は、自然界すべてのことを指しているので、人生にも応用できるのです。
一日、ひと月、一年は陰陽の移り変わり

一日は陰陽の移り変わりでできています。
真夜中の0時が一番陰が強い時間です。
そこから徐々に陽が増えていき、お昼には陽が最も強くなります。
そのあと陽が減っていき、陰の方が強くなって、また0時に陰が極まります。
このように、陰と陽の移り変わりでできています。
そして一ヶ月も陰陽と関係があります。
月の満ち欠けです。満月の時は、陽が極まった状態。
新月の時は、陰が極まった状態になります。
一年も陰陽のパワーバランスによって季節の移ろいができあがっています。
今でも暦で使うことも多い「春分」「夏至」「秋分」「冬至」。
これは、陰陽の移ろいのポイントを指しているのです。
春分は、陰陽のバランスが取れている日。
夏至は、陽の力が一番強い日。ここから陽は減って、陰のパワーが強まっていきます。
秋分は、陰のパワーが出てきて、同時に陽が減った状態で、春分と同じく陰陽のバランスが取れている日です。そこから陰の方が強くなっていきます。
冬至は、陰が極まって、同時に陽が生まれる日。そこからまた春分に向けて陽が育っていくのです。
自然界は規則的
このように、自然界は秩序を保って、一定に陰陽のバランスをとりながら繰り返しているのです。自然界を観察していると、陰陽のエネルギーの移ろいを感じることができるでしょう。
ひとも自然界の一部。
陰陽のバランスをとりながら健康を維持しています。
次回はひとのからだの陰陽について紐解いていきます。