薬膳の考え方④~五行説その1~では、
五行説のベースのお話をしました。
今回は、五行の「木・火・土・金・水」のうちの「土」のお話です。
土の特徴:どっしり構えてる

たくさんの作物を育む土。
大きな家や大きな山など、下には必ずしっかりと支えてくれる土があります。
土にはたくさんの栄養が蓄えられていて、種やたくさんの生物を受け入れてくれます。
自然界の活動のすべての基盤になるのが土なのです。
以上のことから、土は、育む、支える、受け入れるなどのキーワードが当てはめられます。
前に更新した木や火と同じように、自然界に存在するこの特徴を持つものは、すべて「土」に分類されます。
土というと茶色ですが、五行での色は黄色です。
黄土色をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
そして方位では中央に位置します。
重要なものは中央に置かれますが、「土」は五行の中でも重要なものと考えられているのでしょう。
季節は「梅雨」または「変わり目」
「土」の季節は2つ説があり、一つは雨の多い梅雨。
そしてもう一つは季節の変わり目=土用を指しています。
「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣は今でも根付いていますね。
「土」という言葉も入っています。
春と夏、夏と秋、秋と冬、冬と春のそれぞれの季節の間の18日間を「土用」と言っています。
土用の丑の日のうなぎは、夏と秋の間の土用に食べることが多いですが、これには理由があって、この土用の時期には胃腸がダメージを負いやすくなるのです。
この「土用の丑の日」のうなぎは、土用の胃腸の不具合を乗り切るためにうなぎを食べることを提案したことから始まっているようです。
季節の変わり目というと、お天気が変化しやすく、雨の日が増えるので、梅雨であっても季節の変わり目であっても、どちらも雨が多い時期を指していると言えるでしょう。
雨は土壌を豊かにし、作物を育てる恵の雨なのです。
人生に当てはめると働き盛りの時期
土を人生に当てはめると、働き盛りの30〜40代というところでしょうか。
子育て世代でもあるこの時期は、子供を育てたり、会社などの組織では中間管理職に就いている人も多く、部下を育てる立場にあるということも多いでしょう。
夫婦では支え合うことも大切になる時期。
子供を育てたり、社会での困難に立ち向かうときには、パートナーを支えることも必要です。
独身の方も社会を支えたり、自分の両親を支える場面も多くなることでしょう。
そして多くのことを経験し、たくさんの感情を味わい、いろんなことを受け入れる、器を広げる時期なのです。
感情は「思」

土に属する感情は「思」です。
「思」とは、思い悩んだり、考えることを指します。
まさに日本人のような性格を表しています。
相手のことを思った行動を重視したり、神経質だったり、勤勉だったり。
日本人は肌の色は黄色で(イエローモンキーなんて言われたりしますね。)、湿気の多い国です。
そのため環境の影響を受けて性格までも「土」に寄っているのです。
また、季節は梅雨か季節の変わり目、というお話を前述しましたが、雨の日はおうちにこもることが増えることでしょう。
おうちにこもっていると、つまらないことを考え出したり、悩み事をくよくよ考えてしまったりすることも多いと思います。
そんな雨の日には、自分を磨いて育んだり、自分の支えになるような考え方を身につけたり、いろんな考え方を受け入れたりすることで、人として成長できるでしょう。
考えることは勉強すること。
この雨の多い時期には知識を蓄えることもできます。
自分の意識次第で土のようなどっしりとしたブレない自分になることができるのです。
五行の「土」のイメージは伝わったでしょうか。
次は、「金」について綴っていきたいと思います( ˘ω˘ )