薬膳の考え方④~五行説その1~では、
五行説のベースのお話をしました。
今回は、五行の「木・火・土・金・水」のうちの「金」のお話です。
金の特徴:曖昧なことが嫌い!

「金」は金属のこと。
金、鉄、銅などの鉱物や採掘される宝石なども含みます。
金属を加工して作られるナイフや斧、包丁なども「金」に分類されます。
金の特徴としては、
「白黒はっきりさせたい!」
「曖昧なことは嫌い!」
というもの。
金は純度の高いものが良いとされます。
純粋なものを抽出することで物質そのものに近づきます。
だから自己と他者をはっきりと区別する性質があるのです。
金は、区別、洗練、純粋というキーワードが当てはめられます。
他の五行と同じように、五行説ではこのような性質のものは、全て金に分類されるのです。
色で言うと白。
金だから、金色と言うわけではないのですね。
純粋な色といえば、白。
方位で言えば、西に当たります。
金色の夕焼けが沈むのは、西。
季節は「秋」

四季の中では、秋が金にあたります。
空高く、空気が澄んでいる秋は、まさに「金」の季節。
「純粋」というキーワードが当てはまります。
特に秋の朝早い時間帯の空気はとても澄んでいて、気持ちがいいです。
秋は朝早くに起きて、深呼吸してみるのがおすすめ。
黄金色に輝く稲がなびくのは秋ですね。
収穫の秋です。
感情は「悲しみ」
秋は悲しみの季節です。
なんとなくセンチメンタルに陥ったり、物悲しくなったりしませんか?
それは秋のせいかもしれません。
木が枯れ葉を手放していく様は、悲しみを倍増させます。
木の枝には今までたくさんの華やかな葉っぱがあったのに、なくなってしまうとどこか寂しい気がしますね。
また、秋は日が短くなることで、幸せホルモンであるセロトニンの分泌が少なくなってくる、というお話もあるようです。
そのため秋はうつ病にかかる人が増えるという統計もあります。
それだけ「悲」の感情が出やすい秋。
中医学の生まれた昔から、わかっていたことなのです。
人生では50〜60代。
「実りの秋」と同じように、人生では、実績を積み重ねて認められ、知識も実力も豊かになる50〜60代に当てはまります。
子供がいる人は、子供が育って自立していく時期。
一人の人として、立派に巣立っていく子供を見送ることができるでしょう。
仕事に向き合ってきた人は、ようやく認められて、様々な形で報酬を受け取ることができる時期と言えるでしょう。
からだを大切にしてきたのであれば、きっと50代以降も健康で若々しくいられるでしょう。
考え方や生き方の姿勢が表情に現れるのが50代以降、なんて言われることも多いですよね。
中医学の世界でもそれは間違っていないことと言えます。
生きてきた姿勢や生き様が現れやすい年代が、この「秋」にあたる50〜60代の時期なのです。
何かに打ち込み努力してきたのであれば、その努力が目に見えて現れて受け取ることができるでしょう。
「金」のイメージは伝わったでしょうか。
次は「水」について綴っていきたいと思います!