薬膳の考え方④~五行説その1~では、
五行説のベースのお話をしました。
今回は、五行の「木・火・土・金・水」のうちの「水」のお話です。
水の特徴:上の方から流れてゆく

水は触ると冷たくて、気体、液体、個体と形を変えることができます。
そして川上から川下へと流れていきます。
五行説では水は、冷たい・流れる・変化といった特徴を持ちます。
他の五行と同じように、このような特徴を持ったものは、すべて「水」に当てはまります。
また、水は生命の生まれるところ。
潜在的に生命エネルギーを秘めています。
すべての生命は海から生まれました。
冷たくて静かな凪いでいる海でも、強いエネルギーを内に秘めているのです。
水の色は「黒」。
青のイメージですが、五行説では黒になるのです。
井戸の中の水のイメージでしょうか。
方位では、北になります。
北は北半球では寒い方向になりますね。
「冷たい」というイメージから、北が水の方位に当て嵌められたのでしょう。
季節は「冬」
寒い冬は「水」のイメージにぴったりと当てはまります。
日照時間も短く、暗い時間が長いので、色のイメージである「黒」もしっくりきますね。
冬の時期は、次の春に向けて、じっとエネルギーを蓄えます。
動物は冬眠し、野山の巣で静かに過ごします。
木々は表面上では何も変わらないように見えますが、実は根を下へ下へと伸ばし、より強くたくましく変化しているのです。
春に向けて芽の準備もしています。
植物の種も五行では「水」に分類されます。
冬の間、植物は種として寒い時期をじっと耐え抜きます。
種は何も動きのないように見えますが、種の中には次の季節の春に、芽を出してぐんぐんと成長するための強い力が凝縮して入っているのです。
種は、木の姿から変化した状態とも言うことができますね。
「水」のキーワードの変化という視点から見ても、種は当てはまっています。
人生に当てはめると70代以降

70代以降は、成熟した時期です。
たくさんのことを経験し、多くの知恵や知識を持っています。
それを次の世代へと伝えます。
知恵や知識というエネルギーを蓄えているのです。
若い人は受け継いだ知恵や知識を活かし、よりよい時代、社会を作り上げ、そしてまた次の世代に繋ぐ、流していくのです。
このようにして文明や経済は発展してきました。
そしてこれからも、知恵や知識という種を次の世代に撒いて、さらなる発展へと繋げていくのです。
感情は「恐」と「驚」

恐怖や驚きが五行の「水」に当てはまります。
暗いと恐れを感じやすかったり、暗闇から突然話しかけられたら驚きますね。
冬は寒くてあまり外出する気にもならず、そして恐怖心も芽生えやすいと言えるでしょう。
何かを始めようとしても、リスクばかりが目に入ってしまったり、踏ん切りがつかなかったりするかもしれません。
そんな冬は頑張って何かを始めるより、冬に生まれやすい恐怖心を上手に使ってみませんか?
恐怖心も大切な感情。
恐怖心、警戒心があるからこそ、危ないことを回避することができるのです。
冬の時期や夜の暗い時間は、恐怖心を逆手にとって、徹底的なリサーチの時間に当てるとよいでしょう。
目につきやすいリスクを洗い出し、そのリスクを回避できる方法を考える。
こうしてエネルギーを蓄えておくのです。
蓄えられたエネルギーは、春になって芽を出して夏や秋には花を咲かせて実をつけるでしょう。
人間だって自然の一部。
自然のリズムに、自分の心や行動も流れに乗せていくことで、うまくいくかもしれません。
五行の「水」のイメージは伝わったでしょうか?
そして、五行すべての全体像は捉えらたでしょうか??
もう一度、他の五行も復習してみてくださいね✦